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アメリカアイダホ州の森林官による国有林に関するリモート講義を受講しました

 12月9日(金)、林業経営学科1学年10名が、アメリカ農務省U.S Forest Serviceの森林官(フォレスター)であるNatalie McNeesさんから、アイダホ州の国有林についてリモート講義を受講しました。Natalieさんは3年前にコロラド州立大学(CSU)の学生として他の5人の学生、教員とともに来校し、山形県の森林・林業について4日間、本校の学生と視察交流を行いました。また、その年の海外研修では、CSUの学生と本校の学生がロッキー山脈の麓の同大学マウンテンキャンパスで交流しました。この出会いがきっかけとなり、今回で2回目となるリモート講義へと進展しました。
 今回の講義は、Natalieさんが勤務するアイダホ州の国有林Payette National Forestの森林と育林施業、病虫害、森林火災に関する内容でした。Payette National Forestは、山形県とほぼ同じ面積を持つ広大な針葉樹がメインの国有林です。育林施業としては、パッチ状に伐採する群状択伐をはじめとする4種類の作業方法が紹介されました。また、病虫害については、さび病やアブラムシ被害など、深刻化している4種類の被害について学びました。かつては、耐火性のあるポンデローサマツとダグラスファー(ベイマツ)が低密度で優占し、頻発する弱度の火災が林床植生の過度な侵入を防いでいましたが、これら2樹種の伐採と徹底した森林火災抑制対策の結果、成長の早いグランドモミが高密度で優占するようになり、その結果、森林火災が発生した場合は大規模化しやすく、また、病虫害を受けやすい森林環境になってしまったとのことでした。
 学生は、初めて聞くアメリカの森林と日本の森林の違いを実感し、国際的な視点から改めて日本の森林・林業を見つめることができました。次回は、国有林での木材生産について情報提供してもらうとともに、本校の学生が卒業研究について発表する予定です。

学生の質問に答えるNatalieさん
アイダホ州の森林に見入る学生

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