農林大学校Q&A

農大Q&A(学科について)

本校に関するご質問にお答えしています。

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電話:0233-22-1527(代)教務学生担当

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稲作経営学科

1.どのような作物を栽培できますか

学生は、1人1筆以上の圃場を担当し、水稲や畑作物を栽培しています。水稲では、「つや姫」、「雪若丸」、「はえぬき」などの主食用米の他に、酒米、飼料用米、もち品種なども栽培できます。畑作物は、大豆、そばなどを栽培できます。

2.講義ではどのようなことを学びますか

植物としての水稲の生理・病理、それに基づく栽培技術など、安定した稲作経営の土台となる知識をしっかり習得します。また、大豆等の畑作物や最新のスマート農業技術等についても幅広く学びます。

3.実習ではどのようなことを行いますか

農業機械の操作、育苗管理、自分が担当する圃場の肥培管理、水管理、病害虫防除および生育調査などを行います。また農大市場では学生自らが店頭で農大産米を販売します。

4.どのような機械を操作できますか

トラクター、田植え機、コンバインなどの操作を学生自らが行っています。また、機械メーカーと連携して、直進アシスト付きトラクター、密苗栽培用の田植え機等、最新の機械を操作することができます。

5.スマート農業について、どのようなことが学べますか

専門の外部講師による講義に加え、校内の圃場で最新のスマート農機の実演を行っています。さらに、卒論でスマート農業に取り組むことも可能です。これまで、パソコン上での圃場管理システムの使用、ドローンを用いた生育診断、無人ヘリの可変施肥、収量コンバインによる刈取りなどを行っています。

6.収穫した米はどうしていますか

学生は、稲の種まきから収穫、調整まで、一連の作業を自らの手で行います。収穫した米は、校内のミニライスセンターで乾燥、調整、袋詰めを行います。精米した米は、主に校内の食堂に出荷しており、一部は農大市場で一般の方に販売しています。

7.校外ではどのようなことを学んでいますか

稲作農家向けの講習会や県主催の米フォーラム等に参加し、生産者が実践するレベルの内容について学習しています。その他、大豆やそばの加工研修なども行っています。また、年に1回程度、米の流通状況調査や品質調査法を学ぶため、首都圏での研修を行っています。

8.プロジェクト学習(卒業論文)はどのようなテーマに取り組みますか

実家の農業と関連すること、就農後に挑戦したいこと等を中心に、学生自らが設定しています。近年では、「カモ除草による水稲の有機栽培」、「地域未利用資源を活用したつや姫栽培」、「我が家の導入に適した水稲直播栽培」、「良食味を目指した密苗栽培」、「大豆の低コスト栽培」等、様々なテーマに取組んでいます。

9.どんな資格がとれますか

大型特殊自動車免許(農耕用)、けん引自動車免許(農耕用)、産業用無人ヘリコプター技能認定、産業用マルチローター(ドローン)技能認定などの資格が取得できます。特に、産業用無人ヘリコプター技能認定取得者は、卒業後、農協や地域の共同防除組織にオペレーターとして所属し、地域の広範囲な病害虫防除を担っています。

10.卒業生はどのような仕事に就いていますか

就農、農業法人への雇用就農、農業関連企業(農業機械メーカー)などの仕事に就いています。また、進学(4年制大学編入)する学生もいます。

果樹経営学科

1.どのような果樹を栽培できますか

さくらんぼやりんご、ぶどう、もも、西洋なし、日本なしなど、山形県の主要果樹を栽培しています。

2.さくらんぼはどのような品種がありますか

主力品種の「佐藤錦」をはじめ、山形県育成品種の「紅秀峰」や「紅さやか」、加工用品種の「ナポレオン」、そして今話題になっている大玉新品種の「やまがた紅王」などを栽培しています。

3.プロジェクト学習(卒業論文)はどのようなテーマに取り組みますか

実家が農業を営んでいる学生は、卒業後に自分の経営に活かせる課題を設定しています。近年は、高品質果実生産に関する課題に加え、経営規模の拡大を念頭に置いた作業の省力化や労力分散に関するテーマに取り組む学生が増えています。

4.卒業生はどのような仕事に就いていますか

自営就農や農業法人への就職、農協、農業関連企業(農業機械・農業資材販売業等)、一般企業(食品加工業等)、公務員(自衛隊等)などの仕事に就いています。

野菜経営学科

1.どのような野菜を栽培できますか

県内で産地化されている野菜である、すいか、えだまめ、メロン、トマト、きゅうり、ねぎ、さといも、かぶなどを中心に栽培しています。2学年の卒論の品目を合わせると約30品目の野菜の栽培を行います。

2.野菜の当番管理はどのような仕事ですか

主に1学年の圃場管理で当番があります。温度管理のためのハウスやトンネルの開閉や潅水、朝晩の収穫作業、冬はハウスの除雪などがあります。当番はその年の学生数によって、班分けが異なります。当番の作業は交代で行いますので、当番になっていない学生の作業はありません。

3.プロジェクト学習(卒業論文)はどのようなテーマに取り組みますか

収穫量の増加や品質の向上に向けた技術の検討や、労働力不足に対応した省力的な生産方法、伝統野菜の栽培、新たな商品づくりへのチャレンジなど、就農に直結する内容や学生の興味のある内容についてテーマを設定して取り組んでいます。

4.卒業生はどのような仕事に就いていますか

就農はもちろんですが、農業法人への雇用就農、JA(農協)、農業機械メーカー、一般企業(農業資材)、公務員(農業公社、農研機構)など、色々な仕事に就いています。

花き経営学科

1.どのような花を栽培できますか

本県の主要切り花であるトルコぎきょう、ストック、きく、アスター、鉢物・花壇苗のシクラメン、ビオラ、マリーゴールド等(約30種類)、本県の主要な枝物花木であるさくら「啓翁桜」、スノーボール等(約5種類)の栽培技術の基本について学びます。

2.実習ではどのようなことをやるのですか

1学年時は、花壇苗の播種、鉢上げ、仕上げ、販売、切り花は播種、定植、収穫・調整、販売、枝物花木は挿し木、収穫、促成等種まきから収穫・販売まで一連の実習を行い、2学年時に卒業論文プロジェクトに取り組める基礎を学習します。2学年時は実際に各自ハウス1棟を栽培して卒業論文プロジェクトに取り組みます。

3.販売実習はどのようなことをやるのですか

学校が主催する農大市場での販売実習の他、農林水産祭に参加しての販売実習などがあります。その他にサークル活動として、新庄市内で開催されるキトキトマルシェに出店し、自分たちで栽培した花を販売します。

4.夏休みなどはありますか

夏休み期間中も交代で当番を決めてハウス管理があります。また、お盆前にお盆用花束を作成して販売実習を行うので、お盆前の1週間程度は全員で花束作りを行います。その他の期間は、当番以外は休むことができます。

5.校内の学習以外にはどのような学習がありますか

毎年「新庄・もがみフラワーフェスティバル」に参加し、ワークショップや販売などを行っています。その他に県内の試験場や産地を視察して、学校内では栽培できない品目や、大規模栽培、環境調節などの先進技術について学習します。

6.1学年と2学年は一緒に活動する機会があるのですか

基本は1学年と2学年は別のカリキュラムで学習します。管理するハウスも1学年のハウスと2学年のハウスがあります。入校当初は2学年から作業を教えてもらいながら学習を進めるので、一緒の作業が多くあります、その他にハウスの被覆や春の圃場準備など人数が多く必要な実習では一緒に作業を行います。
イベント等に参加する場合や視察研修では一緒に活動する場合があります。

7.ハウス管理は誰がやるのですか

学生が当番を決めて交代で行います。4月は1、2学年一緒に、5月からは1年が行います。当番の学生以外は土日帰宅することができます。2学年は自分の卒論のハウス管理を行います。

8.プロジェクト学習(卒業論文)はどのようなテーマに取り組みますか

一人1品目、自分のテーマを決めて取り組みます。できるだけ学生が希望する品目に取り組めるようにしています。具体的には、「短日処理と摘蕾による秋出しトルコギキョウの収穫期調節」、「アレンジメント系ケイトウ「ホルン」の品質向上」、「スターチス・シヌアータの夏秋切り作型の検討」等に取り組んでいます。

9.どんな資格が取れますか

フラワー装飾技能士3級(高校で3級を取得している場合は2級)、その他は全学科共通の資格が取得できます。

10.卒業生はどのような仕事就いていますか

就農する学生の他に、農業法人、生花店、園芸店、JA、ホームセンター、公務員 等、学習の成果を生かした職業についています。進学(4年制大学編入)した学生もいます。

畜産経営学科

1.どのような家畜を飼養していますか

乳用牛のホルスタイン種、肉用牛の黒毛和種を飼養しています。飼養頭数は変動しますが、平均するとホルスタイン種の成牛6頭、育成牛3頭、黒毛和種の繁殖牛6頭、育成牛3頭、肥育牛6頭、ホルスタイン種と黒毛和種の交雑種子牛3頭の約27頭です。また、7月から11月までは、やまがた地鶏を50羽程度飼養しています。

2.講義ではどのようなことを学びますか

本校では、農場HACCP認証を取得しており、認証に基づいた乳用牛・肉用牛の搾乳や繁殖、肥育技術などの飼養管理技術について学びます。また、酪農、和牛繁殖・肥育経営に取組む経営体や法人の視察研修を行い、より高度な生産技術と経営手法について学びます。

3.牛の飼養管理はどうしていますか

1学年、2学年の当番により朝、夕の搾乳作業や飼料給与、ほ乳等の飼養管理作業を行っています。年末年始休業を除き、春期、夏期、冬期等の長期休暇中も交代で当番による飼育管理を行っています。分娩時には立ち合い、分娩後すぐに母牛と子牛の管理を行います。このため、実践を通して搾乳、飼料給与、繁殖などの基本技術を身に付けることができます。

4.生乳、肉牛などの生産物はどうしていますか

生乳は一般の酪農家と同様に毎日出荷しています。肉牛も一般の肉牛生産者と同様に市場に出荷しています。学生が自覚と責任をもって畜産物の生産と出荷を行っています。

5.プロジェクト学習(卒業論文)はどのようなテーマに取り組みますか

学生が試してみたいこと、興味を持ったこと、疑問に感じたことなどを基にプロジェクト学習に取り組んでいます。今年の2学年は「飼養管理方法の違いによる昼間分娩の効果」、「クラシック音楽と補助飼料による暑熱時の乳量・乳質低下防止効果」、「酒粕を添加した米ぬか発酵飼料の肥育牛への給与」、「規格外廃棄スイカを用いた飼料製造と黒毛和種肥育牛への給与」、「給与飼料の違いによる牛乳、加工品の特徴」、「発酵乳の給与による哺乳子牛の発育」等、幅広いテーマに取組んでいます。

6.どんな資格がとれますか

家畜人工授精師(牛)、家畜商、削蹄師2級の資格取得を目指します。

7.卒業生はどのような仕事に就いていますか

自営就農はもちろん、学んだことを活かせる県内外の畜産法人、県内食肉公社、農協、独立行政法人などに就職しています。大学へ編入する学生もいます。

農産加工経営学科

1.農産加工経営学科はいつからできた学科ですか

平成21年4月に、全国農大初の学科として開設。令和2年度で12年目となります。

2.加工施設はいつできましたか

6つの加工実習室を備えている農産加工棟(乳製品加工施設以外)は、平成20年3月に完成しました。チーズやヨーグルトを製造する乳製品加工施設は、平成31年3月に完成しました。

3.どのような加工品を製造できますか

農大産あるいは県産の果実、野菜、米、大豆などを使って、ジャム、ジュース、ケチャップ、梅干し、味噌、菓子などの加工品を製造するほか、農大産の牛乳を使って、チーズやヨーグルトも製造します。加工施設は営業許可(飲食店営業、みそ製造業、缶詰又は瓶詰食品製造業、清涼飲料水製造業、ソース類製造業、菓子製造業、漬物製造業、乳製品製造業)を取得しているので、加工施設で製造したものは販売することができます。

4.生産実習では、どんなものを栽培するのですか

加工用のトマト、赤ジソ、青ジソ、枝豆を栽培します。は種から育苗管理、収穫まで一通りの作業を体験します。

5.1、2学年で一緒に活動することはありますか

基本的には、各学年別々に授業を行いますが、校外での研修や一部の加工実習など、一緒に活動する機会はあります。

6.プロジェクト学習(卒業論文)はどのようなテーマに取り組みますか

1学年で取り組んだ加工実習に関連したテーマ、自家または出身地で生産している農産物を活用して商品開発に取り組む学生が多いです。また、乳製品加工施設整備により、チーズやヨーグルト等乳製品をテーマに取り組む学生もいます。加工・販売だけでなく生産から手掛ける学生もいます。

7.どんな資格がとれますか

農産加工経営学科の学生は、食品衛生責任者(講習会受講により取得)、販売士3級の資格取得を目指します。

8.卒業生で起業した人はいますか

卒業後、新たに加工部門を立ち上げた学生は2名います。将来起業することを目標に、企業や生産法人などで経験を積んている学生もいます。

9.卒業生はどのような仕事に就いていますか

ほとんどの学生は、県内外の食品製造会社に就職し、製造や販売、商品開発などの仕事に携わっています。その他、食品小売業やJA、農業資材販売業などに就職している卒業生もいます。

林業経営学科

1.林業経営学科はいつできた学科ですか

平成28年度に旧山形県立農業大学校の7つ目の学科として新設され、新たに山形県立農林大学校としてスタートしました。森林資源を「森のエネルギー」、「森の恵み」として活かし林業の振興と地域活性化を目指す山形県が推進する「やまがた森林(モリ)ノミクス」の施策を支える人材を育成することを目的に設置されました。

2.講義ではどのようなことを学びますか

造林・育林や森林生態、森林保護、森林環境などの生物分野から木材や山菜などの林産分野、林業機械分野、測量、安全管理など16科目について学びます。さらに、パソコンを使った森林資源管理など林業でも導入が進んでいるITに関する授業もあります。

3.実習ではどのようなことを学びますか

チェーンソーを使った伐採や1つの機械で2つ以上の作業ができる高性能林業機械と呼ばれる大型機械の操作、下刈りや間伐など森林を育て木材資源を生産する方法のほか、森林の調査、測量や木材加工など、森林・林業、木材分野について幅広く学びます。

4.チェーンソーやヘルメットなど実習で使う道具などにお金がかかるのでは

チェーンソーや刈払機、ヘルメットなどの基本的な資機材は学校から貸与されますので、個人で購入する必要はありません。なお、個人で購入をお願いするのは、防護ブーツ、防振手袋、スパイク長靴等で、これらの購入に要する経費はおよそ5万円です。

5.林業は危険な職業ではないのですか

以前は3K(きつい、汚い、危険)の代表的な職業として認識されていましたが、現在は、チェーンソーが接触しても大けがを防ぐ防護ズボンや防護ブーツなどの安全対策が徹底されています。また、高性能林業機械をはじめとする最新の機械化やIT化が進み、安全確保と労力の低減がさらに進んでいます。

6.実習ではどのような安全対策をとっていますか

伐採実習では、伐採用のヘルメットのほか、林業の現場で使用している防護ズボンや防護ブーツ、防振手袋を必ず着用しています。また、刈払機を使った実習では、脛をガードする脛あてや飛散物から目を守るゴーグルを必ず着用しています。そのほかの実習でも、ハチをはじめとする危険要因を確認、除去するため、職員による実習地の下見を徹底するほか、実習では救急セットを必ず携行します。なお、万一の場合に備えた学科独自の「安全管理体制、緊急時の現場行動マニュアル」を作成しています。

7.プロジェクト学習(卒業論文)ではどのようなテーマに取り組みますか

チマキザサが優占する広葉樹二次林の更新やツキノワグマによるスギ剥皮被害防除などの森林の育成、保護に関する課題や効率的な高性能林業機械作業システムと作業路などの木材生産に関する課題、また、最新のレーザー機器を使った森林資源管理に関する課題など、学科で学ぶ幅広い科目分野に対応し地域に密着した課題に取り組んでいます。

8.女性でも林業分野に就職できますか

これまでの卒業生の中に女子学生が3人いますが、全員、森林組合で活躍しています。また、現在、2人の女子学生が本校で元気に学んでいます。最近の林業分野では高性能林業機械などの機械化やパソコンによる森林資源管理、レーザー測定機器の導入などのIT化が進み、全国的に林業分野で活躍する女性が増えています。

9.林業、木材産業の将来の見通しはどうですか

私たちの暮らしを支える資源は、石油や石炭などの化石燃料が主流です。しかし、これらの埋蔵量には限界があるとともに、燃焼により地球温暖化の原因の一つとなる二酸化炭素を大量に放出します。一方、木材は木を植えることで何度でも再生できる循環資源であり、また、森林は地球上の二酸化炭素を利用し成長することから環境にも優しい資源です。このため、世界的にも森林資源に対する意識が高まっており、この資源を育成し、生産・利用するのが林業、木材産業です。将来のわたしたちの暮らしは、間違いなく森林資源に頼らざるを得ない時代になることから、林業や木材資源を私たちの暮らしに活かす木材産業は、今後さらに重要で不可欠な産業となっていくことは間違いありません。

10.どのような資格がとれますか

チェーンソー、刈払機などの基本的な林業機械や高性能林業機械、小型移動式クレーン、車両系建設機械、フォークリフトなどのほか、卒業時点での申請により取得できる樹木医補など、12種類の資格を取得することができます。

11.卒業生の進路について教えてください

就職については、森林組合をはじめとする林業事業体や木材・製材関連企業のほか、測量会社、林業関連団体、市町村役場(初級)となっています。進学は、森林・林業系の学部のある私立大学や国立大学に編入しています。